4月 〜野点でお花見〜

大人のおままごと 茶箱

持ち運びができる小型の箱や籠などに喫茶用の茶道具一式を組み込んだものを茶箱および茶籠と呼びます。小さなお菓子まで入れ込むことができ、旅先でもお湯さえあればさっとお抹茶がいただけるポータブルセットです。サイズ感は通常の茶道具よりも小さめの方が収まりやすく、また素材も割れにくいものを選ぶと安心です。見た目だけでなくお茶碗や茶入れを保護する意味もある仕覆も大切なアイテムです。

あり合わせのものでなく一つ一つの道具の仕様サイズやバランスを吟味して組み立てていく、持ち主の趣味趣向で完成させるところに茶箱の醍醐味があります。茶籠はより野趣を帯びていますし、さらに簡単に布の袋や化粧品のバニティバッグを利用してもおもしろいでしょう。

点前は茶箱の蓋を利用したり、お盆の上に置いてお盆点てのごとく行ってもよいので、野点の場所に応じて安定して点てられる方法を選ぶといいですね。

野点は茶室で行うお茶会よりもカジュアルに楽しめるもの。お天気のいい日にピクニック気分で美味しいお茶を一服いかがでしょうか。

りゅーとぴあ前の満開の桜の下で

銀閣寺(慈照寺)の茶箱
およそ一世紀ぶりに行われた東山慈照寺銀閣寺、平成の大修理。その時に出た屋根のさわら材を使用して作られた茶箱。「慈照」の焼印がある。中の茶道具、仕覆は現代のものでシンプルでスタイリッシュ

螺鈿(らでん)の茶箱