1月 〜初釜 室礼〜
総合コーディネート
新年最初に開かれる茶会を『初釜』といいます。茶道においては年始め恒例の行事であるとともに稽古始めでもあります。
『初釜』の茶事では華やかで縁起の良い室礼で客を迎えます。
床の間には新春にふさわしい掛軸、そして天井近くから床まで流れる結び柳。美味しい濃茶をいただくための懐石料理と艶やかなお菓子。どれも新春を寿ぐ席には欠かせない演出です。
室礼のポイントは、
一、テーマや季節感に合った流れを考える
二、道具のコーディネートは質感、モチーフ、花など重なりのないように
三、主役と脇役を考える
床の間は席をまとめるシンボル的役割を果たす場で、客もまずは亭主の心入れをここで感じることとなります。通常は掛け軸や花が置かれますが、会話のきっかけとなり、亭主と客をつなげたり、また床の間を窓ととらえるとそこに置かれたものから空間、時間を超え、想像を広げてくれる手段ともなりますね。
良い会話を引き出し、人とつながることは現代の茶の湯の目的の一つです。そのために、床の間のある和室だけでなく、洋室の場合でも床の間的コーナーを設け、手紙やお土産、季節の物を飾ると効果的でしょう。
五穀豊穣の飾り
初釜の室礼、結び柳に紅白の椿。
竹台子にはうらじろの葉をつけたしめ縄。床の間、掛軸
正月らしい干支などの演出
濃茶は金銀の塗りの嶋台という楽茶碗で大福茶をいただきます。
初釜の料理①
初釜の料理②