3月 〜雛の茶事〜
茶事 おもてなしのフルコース
三月三日は五節句の一つ、上巳の節句です。別名、桃の節句と呼ばれ、雛祭りのお祝いとして身近なものとなっていますよね。
自宅では三月の恒例行事として、雛の茶会を開きます。
茶事では桃の節句にちなんで雛人形や立ち雛の掛物などを設え、お客様をもてなします。
囲いの発想から生まれた茶事を行う部屋を茶室といい、茶事ではまず身づくろいをする寄り付きがあり、亭主側の迎えを待つ待合、そして少しずつ俗世の塵を払い、非日常空間である茶室に入ります。
初座では炭をおこし、お茶のためのお湯を沸かす間にお酒と懐石料理をいただきます。料理の最後にデザートである主菓子が出され、一度席を立ち休憩をとります。(中立ち)そして後半の後座が始まり濃茶が点てられ一同が一碗を飲みまわすクライマックスを迎えるのです。その後薄茶がふるまわれ和やかに会話が交わされます。この一連の流れはすべて濃茶を最高においしくいただくための演出であるというのは本当に驚くべきことです。
吊るし雛
雛の茶事の室礼
うしお汁とちらし寿司
濃茶の主菓子は桜餅