5月 〜端午の節句 初風炉〜
伝統と革新
五月五日は五節句の一つ、端午の節句。季節を大切にする茶の湯の世界でも節句にちなんだテーマでお客様をもてなすことが多く行われます。
五月になり風炉の季節(夏)になると現代では習慣として炉を閉じて風炉を使用します。使用する位置も釜や炭の大きさも異なり、夏は火を遠ざけて涼しくなるように考えられています。釜だけでなく点前や柄杓、炭道具、花も風炉用の仕様になりますが、炉を切っていない場所では一年中風炉を使用しても構いません。
このようにお茶には一定のルールや作法があります。ルールはとらわれるものではなく、覚えてより自由にゲームを楽しむために必要なものという感覚です。また、お茶の歴史や道具を知ることも楽しみを深めます。長い時間をかけ洗練されてきたお茶の伝統は、時々の工夫や革新の積み重ねであり、その精神を引き継いでゆくことが大切なのだと感じます。
床の間の掛物は鍾馗様
見ごろを迎えた杜若
5月から風炉の室礼に
釜も炭も風炉用の仕様に変わる
端午の節句といえば五月人形
お菓子はかしわ餅